まちづくりで収益構造を作る。
まちづくりを進める上で一番の課題であり、最も難しいテーマです。
※参照:なぜ、まちづくり活動の多くが長く続かないのか
事業支援で一番多い相談でもありますが、知識(ノウハウ)を学ぶだけで簡単に習得できるものではありません。それぞれの事業ごとにいろいろなノウハウを試行し、時間をかけて身体に染み付かせていく以外に道はありません。
覚える事や手法も多く、事業内容や取り組む人の考え方によってに変わります。収益を得る対象も消費者、企業、自治体とさまざま。その方法も参加費、出店料、協賛金、委託費などさまざまです。とても書ききれないほどですが、今回は特に有効な手法「まちづくり活動の広告媒体化」について紹介します。
媒体とは、新聞、テレビ、ラジオ、フリーペーパー、WEB、SNS、チラシ、イベントなどの広報メディアを指します。
2021年の日本の媒体費は6兆7998億円。主に企業が自社のプロモーション、ブランディング、リクルートなどを目的に予算を充てています。
まちづくり活動が「広告媒体」になり得ます。
従来の協賛の取り方だと、意義だけになりがちですがそれだと長続きしにくいです。
この手法は、意義に広告メリットを追加することで、企業側のメリットが構築されます。
協賛から広告協賛に変えて、長期的な協賛を得る方法になります。
まちづくり活動には企画ごとのチラシ、ポスター配布、断続的なSNSやホームページでの発信、マスコミ取材などによる露出の機会や、イベント、交流会など多くの局面があり、各段階で多くの人との接点も生まれます。
チラシやウェブ上の発信を目にするだけでなく、イベントに参加して「楽しい」「勉強になった」といったポジティブな共感が得られれば、スポンサー企業の印象は大きく向上します。そうした各局面が有力な「広告媒体」となります。
例えばイベントの場合、チラシ、会場の看板、会場でのブース、マスコミ取材での露出をセットにして企業に広告媒体効果を提案します。繰り返しますが、イベントは強力な広告媒体の1つ。体験、触れ合いによる接点が生まれるところに強みがあります。クライアントには当日の入場料やブース販売での売上だけではなく、広告媒体としての効果を理解してもらうことで価値は高まります。クライアントにまちづくりも広報の手法と理解してもらうことが大切です。
企業側に「まちづくりは有効な広告媒体」と理解してもらうには、まちづくり活動だかこその「武器」を知り、企業側への説明に生かすことが重要です。
武器❶「行政の協力を得やすい」
まちづくり活動は基本、非営利団体が地域貢献として行う「社会貢献活動」です。そのために行政から直接的に予算を得られなくても、それ以外に協力してもらえる可能性があります。
例えば、子供向けの企画であれば、学校全校にチラシを配布してもらえることがあります(※営利企業であれば基本難しいです)。実現すれば、ターゲット訴求率100%。同じ効果を得る配布を自前で行えば、数十万円以上のコストを費やすことになるでしょう。
学校に配布されれれば、企画に対する信用性とブランディング向上にもつながり、企業に提案する上での大きな武器になります。行政とつながりたい、行政から応援されている事自体をブランディングと考える企業は多いです。
他にも行政から得られる協力は、公共施設の提供(イベント会場など)、事業連携、有益な情報提供、関係者紹介など様々なケースがあります。
武器❷「マスコミ取材を活用しやすい」
まちづくり活動の社会貢献度が高ければ、マスコミ広報されやすいです。
新聞記事やテレビニュースで企業名が紹介されれば、高いプロモーション効果、ブランディング向上が見込まれます。
※参照:パブリシティ(マスコミ)広報は無料の「最強広報」
武器❸「まちづくり活動は企業のブランディング効果が高い」
社会貢献活動を支えている企業であることの発信は企業価値を高め、ブランディング向上につながります。企業が地域のゴミ清掃活動を行うと企業のイメージ向上につながるのと同じ効果です。
武器❹「特徴ある発信になる」
通常の広告媒体は、お金さえ払えれば誰でも掲載されます。
広告費を出すにしても支払えるお金が小さければ、より多くの予算を投じた大きい会社の方が目立つ広告になってしまいます。まさにマネーゲームです。
ケースバイケースではありますが、弊社ではまちづくりの企画に対して1社もしくは数社限定のパートナー企業を設定するケースが多いです。そうすることで、パートナー企業にしか持てない差別化された発信になります。
武器❺「様々な手法でアプローチできる」
先にも説明したようにまちづくり活動にはさまざまな局面があり、様々な事業を行うので、多様な広報発信をする媒体として活用できます。
武器❻「媒体を育てられる」
まちづくり活動が大きくなれば、関連の企画が増えて発信の機会が増え、内容がよければファンが増えます。結果、企業のプロモーションとブランディング向上につながります。
武器❼「企業の本業と連携できる」
企画を通して、企業の本業自体を活性化できる場合もあります。
例えば、空きテナントを埋めるプロジェクトを立ち上げたとします。協賛してくれた企業と空きテナント情報を一元化する窓口を作れば、空きテナントを埋めたい不動産オーナーとつながるきっかけになります。不動産オーナーを顧客としている企業は、顧客と繋がる手段に常に求めています。まちづくりの一環として窓口を立ち上げれば、不動産オーナーからお願いに来るために新たな顧客との繋がりが生まれ、企業の本業の顧客になる可能性が生まれます。
これらの「武器」を携えて企業に提案に行く際にはポイントがあります。
まちづくり媒体は、プロモーション、ブランディングが重要です。
ここでは「営業」を「提案」と表現していますが、詳しくは下記記事をご覧ください。
※参照:営業は提案であり、使い方提案で結果が10倍変わる
【プロモーションについて】
配布するチラシの枚数などのプロモーションは数値化できますが、大事なのはターゲット訴求率です。
例えば、県内の子供を対象とした企画のチラシを配布することを考えてみましょう。
A:近隣世帯に2万部を折り込み配布
B:県内の保育園に1万部配布
チラシの枚数が少なくても、ターゲット層に対する訴求率が高いBの方に価値があります。訴求率も意識した広報戦略を構築しましょう。
【ブランディングについて】
残念ながら、ブランディングは数値化できません。
それだけに自分自身がまちづくり活動で生まれるブランディングの価値をしっかりと理解してプレゼンテーションできるかが、一番重要です。活動を通しての生まれる社会貢献の価値、期待されるマスコミ報道の価値などをしっかり説明することが大事です。
ここまで説明してきた手法をいざ実施しようと思うと、簡単ではないでしょう。ただ、企業の広報予算は6兆7998億円です。一般的な広報媒体に予算を投じるよりもまちづくり活動の媒体の方に効果があると理解してもらえば良いだけです。
「まちづくり活動を媒体化」。弊社の主たる収益構造もこの手法です。
これらのノウハウを学べるワークショップが人気です。
講座後、参加者の活動を媒体化する事を実際に考えて発表してもらいます。それに対して私が助言を行います。こうしたトレーニングによって、まちづくり活動の媒体化のイメージがわくようになります。
講座直後に60万円以上の媒体費を獲得できた人もいます。
ご興味あれば、お気軽にご連絡下さい。
この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。