まちづくりプロジェクトにとって、人件費は大きなコストです。
自分の人件費をコストに含めることを忘れていませんか?
プロジェクトを持続するための利益を得るためには、活動量に対して相応の収益である「対価」を得ることが重要です。
相応の対価を得るためには、人件費を効率化する事がカギです。
参考:なぜ、まちづくり活動の多くが続かないのか

例えば、自分1人で仕事をする場合を考えてみましょう。

❶50時間使って、50万円の利益を得た場合、1時間に生んだ利益は1万円
❷5時間使って、20万円の利益を得た場合、1時間に生んだ利益は4万円
よって❷の方が高い収益構造になります。
時間も余るため、ほかの仕事をすることもできます。

目先の利益の数字ばかりに追われ、時間を含めた人件費というコストを忘れていませんか?

次にイベントの出店を募るケースを考えてみましょう
20店を集めるとして、人件費は1時間2千円とします。

❶出店料を2万円に設定し、時間が200時間掛った。
 出店売上は40万円、人件費は40万円

❷出店料を5千円に設定し、時間が10時間掛かった。
 出店売上は10万円、人件費は2万円

❶は売り上げは高いが、人件費が掛かっているため、結果利益が出ていません。
❷は単価を安くして出店のハードルを下げ、短時間で目標出展数を達成して人件費を減らすことで利益を生み出しています。
自分一人で行ったときと同様、❶よりも時間が190時間余るため、違う事業に時間を割くことができて更なる利益も見込めます。

考える順番としては、まずは❶のように高い価値での提供を優先するべきでしょう。
出店料を2万円と高く設定しても、目標に達するまでの時間を200時間ではなく10時間にするための付加価値の構築、効率化の模索、営業の見直しなどを行って、可能な限り高い利益確保を目指すべきです。

出店料を2万円に設定し、20店舗集めるまでの時間は10時間。
売上は40万円、人件費は2万円。
これがベストです。
ただ、毎回そんなにうまくいくわけではありません。人件費を考慮して採算が合うスキーム(事業の形)を構築する事が重要です。

余談ですが、弊社で出店者を集める場合は、出店料や参画費を安価に抑え、目標数を達成するための時間(=人件費)をなるべくかけないように心掛けています。コンテンツが集まらないとイベントや広告媒体の魅力が下がるため、短い時間で数多く集められるよう常に意識しています。

自分ではなくスタッフにタスク(仕事)を与える時も同じ考え方です。

スタッフの給料を先に時間で計算し、企画に対して掛かる人件費と時間の総量を見積もります。その上で企画に要する経費と会社利益を考えて、スタッフに実務期間を指定し、タスクを渡す事が重要です。
弊社ではまず、スタッフが一つの業務に必要な時間を事前に決めて、人件費を収支表に計上しています。これは自分一人で行う場合も同様です。

繰り返しますが、活動量に対して相応の収益である「対価」が重要です。
人件費がコストから抜けていませんか? 得に自分の人件費は忘れがちなので注意してください。

 


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
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