まちづくりの企画を実践していくと、出店者や委託事業者、スタッフなど様々な連携先が生じます。自分の時間は自由に操れますが、他人の時間は自由にできません。
にもかかわらず、他人の時間を自分のペースで考えがちな人が少なくないです。

結論、連携先とのスケジュール調整における大切なポイントは以下の2点です。
「1秒でも早く依頼する」
「事前に日程を決めた上で依頼する」


「1秒でも早く依頼する」とは、相手の時間を最優先におさえることです。

⑴ デザイナーに仕事を依頼する場合

優秀なデザイナーほどスケジュールが多忙ですが、企画が決まったら直ぐにデザイナーに依頼できる人は少数派です。
関係者にヒアリングしたり、詳細を詰めたりした後のデザイナー依頼では、すでに予定が埋まっている場合も多いでしょう。
デザイナー依頼にするだけならば、時間は要しません。
企画が決まったすぐにデザイナーに連絡し、日程案を提示してスケジュールを抑えることが大事です。詳細な打ち合わせは、その後でも間に合います。

⑵ 行政に補助金申請する場合
補助金申請には行政からの承諾書が必要な場合があります。
行政によっては、承認までに行政組織内のハンコが10個以上必要な場合もあります。
相手方の時間感覚はそれぞれです。そこに文句を言っていても始まりません。 
せっかく申請書を作ったのに、行政手続きが間に合わなかった例をいくつか見たことがあります。非常に非効率で時間の無駄です。
申請を決めたらすぐに行政に連絡、依頼し、日程案を提示してスケジュールを確認することが必要です。


もう一つのポイントの「事前に日程を決めた上で依頼する」は、相手方への条件提示の中に日程設定を組み込んでしまうやり方です。

⑴ イベント出店を募る場合
弊社ではイベント出店者に対して、イベント直前に最終説明会を開きます。
イベント出店者が決まった後、日程調整をして出店者全員を集めることは非常に難しくなるケースがほとんどです。仮に説明会は複数回実施し、さらに調整の時間を考えると10時間以上の時間的コストは必至でしょう。
なので、出店者を募集する段階で、申込資料に事前に最終説明会の日程を明示しておくことをお勧めします。さらに注釈で別日の開催は出来ない旨を加えておくとよいでしょう。
こうした工夫によって、説明会に要する時間的コストは30分程度で済ませることができます。

⑵ タイトなスケジュールで事業を行う場合
とある補助金を活用する際、採択から事業実施までの時間が少ないケースがありました。
補助金の申請日から90日後に採択決定、採択後90日で事業完了という日程でした。
そのため、すぐに仮スケジュールを組みました。
関係者には、採択発表日の翌日の会議日を仮予約。
デザイナーには、初稿提出と校了日を設定して仮予約。
広報関係者には、広告枠を仮予約。
結果、無事に採択を経て事業を予定通りに遂行できました。
もし、上記を事前の仮スケジュール編成を行っていなければ
関係者に無理を強いて迷惑をかけ、理想のデザイナーに依頼できず、広報も不十分になったでしょう。


繰り返します。人の時間は自由に操ることはできません。
頭では分かっていても、中々配慮はできないことが多いです。
常に意識が必要です。
意識する中で、少しずつできるようになります。

「1秒でも早く依頼する」
「事前に日程を決めて依頼する」
忘れないようにしてください。

 


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。