【課題】
福井県坂井市は、2023年より「結婚応援日本一のまち」を掲げ、各種施策に取り組んでいる。
しかしながら、子育てに関する企画は民間によって実施されるものが極めて少なく、その多くが隣接する福井市に集中している現状にある。
そのため、坂井市内において子育て企画に参加できる機会が乏しいという課題が顕在化している。
子育て企画は、自治体よりも民間が得意とする分野であり、地域内で民間による企画を担うプレイヤーを創出することが喫緊の課題となっていた。 ※坂井市の人口は88,000人(令和6年)


【戦略】
・子育て企画の実施を志すプレイヤーを掘り起こすためのプラットフォーム構築、講座、 
 伴走支援を実施する。
 主な目的は、過去の伴走支援者の成功事例を紹介し、参加者が一歩を踏み出すきっかけ
 にする。
・最初の一歩を踏み出す動機支援として、企画内容に応じた補助金(最大10万円)を用意
 する。ただし、補助金の活用にあたっては、第2回目の実施が可能であることを示す計画
 書の提出を必須とする。
・初回の「一歩を踏み出すための講座」以降は、実践に向けたノウハウを提供するため、
 段階的に複数の講座を展開する。
・講座参加者には、自らが実施したい内容を発表してもらい、その実現に向けて伴走支援
 を行う。
・子育て企画を集結させたイベントを開催し、実践の場としての着地地点を設け、実際の
 行動へとつなげる。
・伴走支援を継続しながら、自走化を促進するものである。

 

【実施したこと】
(1)募集
プレイヤーを創出するため、広報物を作成し、広報活動を実施した。その結果、24名の応募があった。

(2)講座の実施
「初心者向けの企画をつくる講座」および「WEBアプリの活用・導入講座」を実施した。
その後は「コンテンツの作り方」「広報のやり方」「収益構築」「プロへの意識改革」等を実施した。

(3)伴走支援の実施
2月18日に、子育て企画を集結させたイベント「さかいキッズワンダーランド」の開催を決定し、参加希望者を募集したところ、11のプロジェクトから申込みがあった(※チラシには10と記載されていたが、実際には1件増加し11件となった)。各プロジェクトの実施に向けて、伴走支援を行った。

(4)補助金支援
補助金を活用した中で一番大きい金額は8万円であった。多くのプレイヤーが補助金支援を必要としなかった。補助金を必要としなかったプレイヤーに対しては、せっかくの機会としてSNS広告に挑戦してもらうため、3万円の補助を提供し、SNS広告を活用した広報手法を学んでもらった。

(5)「さかいキッズワンダーランド」の開催
「さかいキッズワンダーランド」を開催し、4,000人以上の来場者を集めることに成功した。各プレイヤーが実施した企画も好評を博し、成功を収めた。

(6)自走化
その後、各プレイヤーは、自身が実施した企画を単独で開催したり、規模を拡大して新たな企画を実施したりするなど、自走化に向けた動きを見せている。「さかいキッズワンダーランド」は毎年開催し、新たなプレイヤーの創出および既存プレイヤーの認知拡大の場として、継続的に実施している。

募集チラシ
さかいキッズワンダーランドチラシ



【事業の結果】

プレイヤーによって企画の規模に差はあるものの、多くの子育て企画プレイヤーを輩出することができた。
通常であれば、自治体が補助金を支給し、その補助金が尽きた時点で事業の継続が困難となるケースが多い。しかし、本事業においては、スタート段階で補助金の活用を最小限にとどめる方針とし、あわせて第2回目以降の実施を見据えた自走可能な計画を立案したことにより、持続的な活動が実現できた。
中には、総予算約150万円規模の企画もあり、協賛金の獲得により自走化を果たしている事例もある。
さらに、子育て企画を実施するプレイヤー同士のプラットフォームが形成されたことで、相互連携や意識改革が進み、地域における子育て支援の取り組みがより良い方向へと展開しつつある。


【今後の展望】
プラットフォームを継続的に運用し、プレイヤー間の連携を強化するとともに、新たなプレイヤーの輩出を図るものである。また、「さかいキッズワンダーランド」の規模拡大を進めることで、地域内における機運醸成を一層高めていく。
さらに、自治体からの連携に関する相談も寄せられており、今後は官民連携を強化しながら、より良い地域づくりを推進していく方針である。